神奈川大学のキャリア教育〜多様な体験を通じた人間力の育成〜
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Vol.12 神奈川大学座談会―2

キャリア教育の必要性

近年、キャリア教育の必要性がクローズアップされています。

中島 三千男学長 外国語学部教授
中島 三千男 学長
外国語学部教授

中島:

小学校や中学校・高校、そして今や大学でもキャリア教育が行われる時代になりました。経済産業省の研究会による報告書では、社会で活躍するために必要な能力として「社会人基礎力」が掲げられています。この力とは「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」等で、まさにこれはキャリア教育へ期待する内容でもあります。

明比:

文部科学省でも大学教育の在り方の中で、論理的思考力・コミュニケーションスキル・問題解決能力・自己管理力・リーダーシップなどの育成を求めています。表現は異なりますが、経済産業省と同様の内容ですね。

中島:

キャリア教育の内容は大学によって様々ですが、分かりやすく言うと「人間力の育成」です。今、そしてこれからの大学は、この人間力の育成が大切なキーワードになると思います。もっともこれは本学が創立当初より目指してきた「人間形成」に通じるものであり、本学としては今までの取り組みをより発展させていく方向で考えています。


キャリア教育が必要な理由

なぜ、キャリア教育が必要になっているのでしょうか。

出口裕明 学修進路支援部長 法学部教授
出口裕明 学修進路支援部長
法学部教授

中島:

情報化・国際化・少子高齢化といった時代の変化が、キャリア教育を必要としてきたと言えます。特に、大学進学率が50%を超えるという、いわゆる「ユニバーサル化」(大学教育の量的拡大)があげられます。多くの人が高等教育を受けるのは素晴らしいことですが、その一方で多様な学生が集まるようになり、大学の在り方を見直す時期がきたのです。礼儀ひとつとっても、昔はその基礎は家庭や地域で教えていましたが、今、その機能が十分に果たせなくなり、教育機関がその役割を担うようになっています。

出口:

誤解を怖れずに言うと、大学進学者が少なかった時代や受験競争が厳しかった時代は、入学してきた学生のほとんどが、既に学び方を身に付けていました。それが最近、学び方を十分に身に付けていない学生も入学するので、そのノウハウ提供も大学に求められています。もうひとつは広く社会を見た時に、環境や福祉など普遍的なテーマに向き合える豊かな人間性が必要で、キャリア教育がその部分を担っていくと思います。

中島:

企業も昔は終身雇用のもと人材をじっくり育てていましたが、今は即戦力が求められ、その点でもキャリア教育が必要になっていますね。

明比:

市場での競争がより激しくなっているなかで、指示待ち人間ではなく、周囲の人々とコミュニケーションをとり、自ら行動できる人材が求められています。今の若者は、たとえば遊びでもゲーム機などの「与えられたもの」によることが多く、自ら考え創造することが苦手です。コミュニケーションも、向き合っての会話ではなくメールを好み、友人同士の付き合い方も希薄になっています。ただし社会に出たら、それでは通用しないので、大学におけるキャリア教育の重要度が増していると思います。


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