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Vol.1東京四大学座談会3

学生との距離感

そういう距離感の近さ、あるいは四大学いずれもワンキャンパスとしてのアットホーム感の魅力もありますね。

加藤:

マンモス大学と違い、キャンパスを歩いていて知らない人はまずいません。安心感があるし、学生たちは友人はもちろん先輩後輩、そして教職員との人間関係を大事にしていますね。

濱田:

そうですね。我々職員と学生の距離感も近いですね。以前、教務課にいたときは履修方法について随分相談に乗ったこともありましたが、今は高校生からAO入試についての相談がありますし、職員と学生のコミュニケーションの深さも他大学にはないと思います。

加藤:

私はオープンキャンパスから入試まで、1年を通して学生たちにお手伝いをしてもらっていますが、親近感をもって接することができますね。また成蹊さん同様に本学の教務部も学生からの相談がかなり多く、それに対して熱心に応える姿が見られます。

堀井:

個人的に相談に乗ったり、連絡をしたり、というケースは多いですね。規模が小さい分、ふれあいがあり、あたたかい雰囲気でまとまっているのも四大学の共通点だと思います。

学びの仕組み

―「学び」に話を戻すと、仕組みについての特徴はどのようなものがありますか。

尾浪:

5年前にスタートした立教、早稲田、日本女子、学習院女子とのネットワークによる「f-Campus」という単位互換制度があります。学生数7万人以上、科目数約1,700という東日本最大級の規模でお互いの大学で履修し合うもので年々希望者が増えています。また外国語教育にも力を入れ、たとえば費用は全額大学負担で入学後に全員がTOEICを受験し、2年次の終わりにまた受けて、伸長度を図るといったことにも取り組んでいます。「国際交流センター」では留学の斡旋や受け入れを行い、協定校も年々増え、学費も相互免除になりますので活用する学生も増えています。

堀井:

お話を伺っていて、武蔵も同じような感じなので少し驚きました。時期は少し異なりますが1年次と2年次にTOEICを受験します。今後はその結果から習熟度別のクラス分けも考えています。国際人を育成する面からは「国際センター」が機能し、交換留学生や認定留学生への奨学金給付支援を行っています。夏期休暇を中心に利用し、自分が調べたいテーマを申請し、審査に通れば外国で現地調査ができる「海外研修制度」というシステムもあります。何事も、手を挙げて「やりたい」と言えば色々なことにチャレンジできます。少人数だから、自分が「主役」になれる機会が沢山あることも魅力ですね。

濱田:

成蹊には特徴的なものとして中期留学という制度があります。これは前期または後期の約14週間、ホームステイをしながら9週間ほどイギリス・マンチェスター大学が主催する英語集中学習に参加し、その後現地で約4週間のインターンシップを体験します。語学はもちろん、イギリスのマンチェスターの市役所やサッカークラブなどで働きながら、文化や風習、価値観の違いなども学ぶユニークな制度です。このほか「国際教育センター」が主催する小・中・高校と一体となったプログラムや語学力を身に付ける講座なども用意しています。

加藤:

成城には国際交流の仕組みとして単位の互換性を持った「交換留学制度」をはじめ、「認定留学制度」や「短期語学研修制度」が用意されています。このほかの取り組みとしては今年4月から「全学共通教育カリキュラム」がスタートしています。ひと言でいうと「成城教育」の現代版であり、今までの教養教育を見直し「キャリア形成」「現代における教養」「オリジナリティ(成城を知り、自分を知る)」「国際化社会(外国語教育)」「高度情報化社会(IT教育)」「すべての大学教育の基礎(読み、書き、議論する能力育成)」という6分野に分け、全人的な教育を展開しています。

就職について

―そのような「学び」を終了した学生の就職に関する状況を教えてください。

尾浪:

本学はマスコミによる「就職力」ランキングで例年上位にランクされています。また四大学がいずれも入学時の偏差値より卒業時の偏差値が高いといえ、それが付加価値になっていると思います。第一志望で入学していただきたいのはもちろんですが、たとえ第二志望で入学しても、4年間を通して非常に満足度の高い学生生活を送ることができます。ゼミはもちろんひとつひとつの学びが、社会に出て生きてくる、そういう大学です。また近年は1年次から就職ガイダンスを行うなど早期の意識付けや指導も実を結んでいると思います。

加藤:

入学時の偏差値より卒業時の偏差値が高いということは、よく聞きます。事情に詳しい高校の先生や受験業界の方には「お買い得な大学ですね」、といわれることがよくあります。さらに、本学では万全を期す意味で、就職後のミスマッチを避けるためにも就職部で1年次からのキャリアサポートを始めています。自分を知り、適性を考えていくといった取り組みです。もっと大きな動きとしては「キャリアサポートセンター」によって「就職は自分の人生においてどういう位置づけか」「どう社会貢献していくか」などを考え、自分を見つめ直し、4年間で磨きをかけていく流れをつくりたいと考えています。

濱田:

日頃接し、見ていて感じるのは本当に感じのよい学生が多いことです。成蹊の宝は?と聞かれたら、私は「学生」と答えます。女子学生の金融業界への就職率が都内で群を抜いていることをはじめ、優れた就職実績を残しているのは学生の質の高さがあってこそのものです。ここにいらっしゃる皆さんの大学と同じくらいの自信があります。

堀井:

本学ではこの6月に組織変更があり従来の学生生活課と就職課が一つになって「学生支援センター」が生まれました。別途キャリア教育については、1年次から正規にカリキュラムにも採用されています。仕事を考える前に大切なのは生き方ですから、そこをしっかり考え、自立できる人間を育成したいですね。また四大学共通でしょうが、先輩方の実績があるから企業からも「会いましょう」といっていただける、その伝統も忘れてはならないと思います。

尾浪:

一つ付け加えさせていただくと、ひと昔には「文学部はツブしがきかない」などといわれましたが、今はデータとしてお見せもしていますが、学部による就職実績に差はありません。保護者の皆様はぜひお子様が望む学問に取り組ませてあげていただきたいと思います。

堀井:

そうですね、大学に入って目的をもって学べば就職は自ずとついてくるものですからね。


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