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東京四大学とは

―「東京四大学」は、いつ頃からの関係で、またいつ頃からそう呼ばれるようになったのでしょうか。

学習院大学 教務部入学課 課長 尾浪 英人氏

教務部入学課
課長 尾浪 英人氏

濱田:

どの大学も創立した時期は明治・大正でした。当時は教育の画一化が進行していましたが、それに対して危機感を感じたそれぞれの大学が、公立とは違う「個性を重視した教育」を始めました。創立当時から共通した教育理念を持っていたわけです。

堀井:

その頃から交流はあったのですが、昭和24年の学制改革によって大学に移行したので、昭和25年くらいから「東京四大学」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。現在、学生レベルでの交流の中心は、半世紀以上続く大々的なイベントの、40種目を超えるスポーツの定期戦が行われる「四大学運動競技会」があります。それ以外にも教員はもちろん職員も各部署ごとに情報交換を始めとする交流があります。

尾浪:

四大学には共通点が多いこともあり、よき相談相手であり、よきライバルでもあるわけです。共通点のなかでは特に少人数教育があげられ、ゼミを通した学び、教員との交流が特長だと思います。

加藤:

そうですね、いずれも少人数教育を1世紀近くに渡り続けている大学で、その実績やノウハウは現代においていっそう輝きを増していると思います。同じような環境にあるため、新しいカリキュラムや入学試験の在り方などを考える上で、皆さんと意見交換するのが非常に役立ちます。

教育の基本方針

―建学理念や教育理念をご紹介ください。

企画運営部 入試課 課長 堀井 登志子氏 

企画運営部 入試課
課長 堀井 登志子氏

堀井:

武蔵大学は大正11年に創設された武蔵高等学校を前身としています。建学から受け継がれる「自ら調べ考える」「心を開いて対話する」「世界に思いをめぐらせて身近で実践する」ことを基本とした教育を、21世紀にどう活かしていくかがテーマです。そのために「知と実践の融合」を理念に、リベラルアーツ教育を重視しているのが特長です。

加藤:

成城大学は大正6年に創立された成城小学校を母体とし、旧制成城高校のあとを受け昭和25年に開学しました。当時の公立の教育機関が政治エリート養成を目的としていたのに対し、創設者の澤柳政太郎先生は一般市民のための学校を目指しました。生徒一人ひとりが一番「面白いと思えること」を見つける自由な校風を生み、それを徹底的に追究する体制が少人数教育だったわけです。本学の建学理念は「個性を尊重し、創造力に富み、感性豊かな学生の育成」ですが、学園創設時に目指した教育方針が大学にも生き続けています。

企画運営部 入試課 課長 濱田 佳通氏

企画運営部 入試課
課長 濱田 佳通氏 

濱田:

成蹊学園は明治45年に創立者中村春二先生がとして開設しました。個性ある自立的な人間を育成し、コミュニケーションを通して人格を形成し社会に送り出す教育を展開しています。

尾浪:

学習院の歴史は幕末にさかのぼり、明治から宮内省管轄となった教育機関を昭和22年に引き継いでいます。創立者はいませんが、院全体の教育目標は「ひろい視野、たくましい創造力、ゆたかな感受性」を掲げています。大学では、いわゆる即戦力としての実用教育ではなく、どのような進路でも自ら必要な知識を養えることを目指しています。社会に出た後で「大学の学びが役立つ」教育です。


学びの特徴

―「学び」における具体的な特徴を伺いたいと思いますが、まず先ほどから出ている少人数教育についてお話しください。

入試広報部入試広報課 課長補佐 加藤 一平氏

入試広報部入試広報課
課長補佐 加藤 一平氏

濱田:

大学はいかに自分のやりたいことを見つけ、いかにいい先生と出会えるかが大切です。少人数であることは先生との交流が大きなポイントです。特にゼミは4年間を通して設けられ、密度が濃いことが特徴でしょう。四大学はいずれも時間外にもゼミを行っていますよね。

加藤:

夏休みをはじめ大学が休みの日でも集まっていますね。形式的にゼミに参加しているのではないので、中身が濃い。教員が学生に対して「力をつけたい」と思い、その情熱に学生も段々引き込まれてきて、自ら学ぶ姿勢ができてきます。それが少人数制のいいところです。

尾浪:

5時限目にゼミを設定することが多いですね。そうすると授業時間が終わっても、延々と続き、飲み会に移行して議論することも少なくありません。また制度として本学は法学部と経済学部では「兼ゼミ」といって、相互のゼミを選べたり2つのゼミを選択できます。またゼミの入室試験を学生に任せるケースもあります。ゼミはまとまりが大切なので、ゼミの伝統や風土に合った仲間を迎え入れるという主旨があるのです。

堀井:

武蔵大学でも夏休みのゼミ合宿は盛んです。また年に1回、学生の運営による「ゼミ大会」が開催されるなど、ゼミには大いに力を入れています。「出席率やレポートの提出は4年間の成長につながる、だから一人ひとりにしっかり勉強してもらいたい。それが教員の使命だ」とある教員が言っていましたが、確かにそうだと思います。本学では出席率が落ちてくると、教員や学部長が学生や保護者に連絡します。手を差し伸べながら、4年間きっちり教育したいと思っています。

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